2010.04.19
信長をテーマにして、著名な作家達が綴った信長像、を収録した本。
作家それぞれの信長感が出ていて、非常に興味深いですが、さりとてエッセイというわけではなくて、ちゃんと信長の軌跡沿って時代順に編集して並べてあります。
その意味で、信長というのはどういう人だったのか、と読み始める人から、他面的な見方をした信長像に触れて見たい、と言う人まで、幅広く読めます。
出来事の記述は基本抑えてあり、そこに各作家ならではの洞察が加えられており、大いに愉しめます。
(中には違う方向に突っ走ってるひともいますが。石原慎太郎とか)
ボイストレーニングの本。
ボイストレーニングというと、歌手などが行うもののイメージが在りますが、本書ではそうではなく極一般での「話す」能力を上げる、と言うのが主眼です。社会人向けです。
特筆すべきは、本の全編を著者が朗読したCDがついてくる、という点です。(ただし、音声データはMP3で入ってます)
トレーニング部も音声で入ってますので、かなりわかりやすいです。
また社会人を想定して書かれているため、かなり実際的な書き方がされている点もわかりやすい点です。
しかし、ボイストレーニングって最近は結構安いんだなぁ。
2010.04.16
所謂小説のキャラクター作成論……論まで行かないですが。
良い点としては、実作のコンテンツを引き合いとしてキャラクターの類型が展開されるという点で、現物の作品に学びやすいという点。
また、それなりに視点が細かく、QA式の書き方になっているため、それなりに具体性がある、という点です。
ただ、個人的には悪い面が目につきます。
まず、一番困るのが、実質上対談形式になっていて論拠のブレが大きい、ということです。特に講師役が二人いますが異なる事を言っていることがあります。
これはHowTo本としてはまずい要素です。
そもそも、著者名でこの本を取った訳では無い人は、「対談」が読みたいわけではないでしょう。無用な対談を載せるくらいなら論拠を整理して載せるべきで、そこを(著者か編集者かは分からないですが)根本的に誤解してるように見えます。
(そもそも、対談形式で書くのに魅力的なパネリストなのかという疑問もありますが、とりあえずそれは置いておくとして)
また、実作を実例に出し過ぎる点も気になります。
例えば「これこれこのようなキャラクター作成の仕方がよい。その例はこれである」というのであれば参考としては優れています。理論が実践されている現物を見ることが出来るからです。
しかし、逆のパターンが多いです。つまり、
「こういう実作がある。この作品ではこれこれこのような失敗がある。なのでこのキャラクター作成の仕方をまねてはいけない」
というものです。これは、一見すると役に立ちそうですが、実際は殆ど役に立たない理屈です。
失敗に学ぶというのはよいことですが、失敗に学んでから正しい技術を学ぶなどというのは、技術の習得方法としては非効率で馬鹿げてます。初心者に失敗例を出しても役には立ちません。
順序として、まず「こういういいかんじのキャラクター作成の仕方があります」というのを示しておいて、参考情報程度に「失敗例」を上げるほうが指南書としては優れています。
実際、殆どの指南書はそのように書いてあるはずです。そちらのほうが効率がいいからです。
まあ、端的にいえば「各論を取り上げる前に書く事があるでしょ」という感じです。
技術書として書くのであれば、そのように構成すべきです。
文章を書いたり読んだりするのが好きな人達が対象読者なので、纏まっていなくても読んでしまうのでしょうが。
しかし、小説の指南書って、他の分野の指南書に比べて10年くらい時代が遅れている気がします。稀によく構成されているものもありますが……。
所謂夢解釈の為のシンボル辞典。
どういうものかというと、例えば、魚の夢を見た場合に、その夢にどういう意味があるのか、魚の夢にはどういう意味があるのかを調べる為の辞典です。
シンボル(上の例で言えば「魚」)の点数はそれなりです。
解釈内容は個人的には文化域で異なる点が多い、特に人間が生み出した抽象概念のシンボルはそうならないとおかしいので、日本人に当てはめたときに当たっているかどうかという点については解釈の際に考慮したほうがよいと思いますが、充実しています。
夢の解釈、そのものに対する記述もあり、非常に豊富(全ページの2割近くがさかれている)ので、単なる辞典としての機能だけでなく、一応読み物にもなります。
当たるも八卦当たらぬも八卦という感じ。
でも、インスピレーションを得る面では、夢は非常に手軽なので、とっかかりにいいのかもしれません。
2010.04.06
どんなものかと思って読み始めましたが、そこそこ面白かったです。
おおよそのストーリーは、太宰治「人間失格」に付合するような出来事、あるいは付合するように思わせる出来事が主人公の周辺に起き、その謎が明らかになっていく、と言うものです。
文学作品をモチーフにしてますが、その知識は無くても読めるようになっています。(まあ、レーベルがライトノベルのものなので、ある意味当然といえば当然ですが)
登場人物の内面、特に負の感情が強く描かれているところが特徴的だと思います。そのあたりが好悪が分かれそうです。
ただ、残念なところも感じました。
基本的に起きる出来事と謎が、主人公に余り関係がなく、依頼型のミッションに関わりながら謎にふれる、みたいな作りなんですが、シリーズ物になることが前提だからか、主人公がしたい事が、いまいちハッキリせず、「あれ? これで終わりなの?」と言うような、若干消化不良気味の印象を受ける当りです。(もっともすっきりとした読後ではない、というのは作品の雰囲気にあっているとは言えるのかもしれません)
しかし、これをファミ通文庫で出そうと決断した編集部は偉いと思います(笑)
2010.03.03
速読の、眼のトレーニングに特化された本。
要点が絞ってあって、殆ど(9割くらい)の紙面がトレーニングに割かれていてドリルとして使用できます(むしろ、ドリルとしての価値がメイン)
やってみた感じ、結構効果はありそうですが、「三週間」のトレーニング後、どのくらい効果があるかは微妙な所です。
また、眼の訓練は載ってますが「読解」とはまた別の話なので、速読というよりも、速読の為の眼の訓練本と割り切ったほうが適切な印象です。
トレーニングも結構種類があって、パズル気分で出来るものが多く、そこそこ愉しめます。
個人的な難点は、トレーニングで取り上げられている文書の題材が、結構著名なものが多くて、「読まなくても分かってしまう」ものが多かったことでしょうか。