2011.06.20
癪な話:iPhoneをつくった会社:読んだ本
iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化 (アスキー新書 (073))
著者/訳者:大谷 和利
出版社:アスキー・メディアワークス( 2008-08-08 )
新書 ( 192 ページ )
刊行が3年前なので、内容はちょっと古いです。
Appleの分析、という意味では、あまり客観性はありません。
っていうか、巻末に参考文献がありますけれど、全部著者の本か著者の訳本なので、そのあたりは推して知るべし、という感じ。
あまり目新しい「Apple評」ではなく巷のApple崇拝とあまり差はないのですが、読みやすく語られています。
ただ、内容が基本的に著者の主観で表面的に思います。『企業文化』を知る、という意味では、客観的な分析もなければ、内部文化の紹介などもなく、タイトルとミスマッチしている感があります。
その観点はやはり「ユーザー」の域を出ておらず、その点には少し不満を感じました。
ところでこの本の中で、
iPodを売る
↓
興味を持ったWindowsユーザー向けに、Windows向けのiTunesを作る
↓
iPhoneが出る
↓
WindowsユーザーにもiTunesが提供されているので、Windowsユーザーも抵抗なくiPhoneを導入してもらえる
↓
Appleの製品の良さをアピールして、他のApple製品も買ってもらう(たとえばMac)
みたいのが書かれてましたけれど、よく言われるこのスキームは果たして正しいんだろうか、とちょっと考えてみます。タイムリーですがMacにメインマシンを切り替えたこともあるし。
個人的に、メインマシン(あと、ついでにモバイルも)をMacに切り替えた理由は、おおざっぱに言って以下の理由。
・Windowsの管理が面倒くさい。
・iOS向けの開発をするのに、マシンを分ける運用が面倒になった。
・対性能価格が安く感じる。
まあ、丁度Windowsマシンがとんだ、ということもあり、しかも、1年立たずに2度も同じパーツがこけた、という理由もあるのですが。
少なくともAppleなら、有償か無償かはともかく故障対応はしてくれるだろうし、問題の切り分け作業をこっちにさせるなどというアホなこともあるまいと思いまして。
実際のところ、Macへのコンバートに当たって、iOSデバイスでのユーザー体験が影響していない、とは言えないので、スキームに合致しているような気もします。少なくとも、iPhoneやiPadを使っていて、「不条理な不満」を覚えた経験があんまりないですし。
価格も個人的には、性能や使いやすさとの比率から考えると安く感じます。
まあ、絶対額が安いわけではないことは事実なので、「iPodやiPhoneの価格帯」で選択するユーザーがMac買うのかっていうと、たぶん買わないと思うんですが。
でも、いろんな意味で総合的に考えると安く感じるんですよね。
まずもって、管理が楽。Windowsマシンの時は、新機種買ったあとは、セットアップにほぼ一日がかりになることも珍しくなかったですが(もっとも、それだけ長く使っていたということもあるけれど)、Macはものの二時間くらいで完了。一部のアプリケーションを除けば、App storeから、さくっと落とせば済む話だし。iCloudがきたら、もっと楽になるんだろうか。
そう考えると、見事にスキームにはまっている気はします。なんか癪な話です(笑)
といっても、1年未満で、3台もマシン買う人間は希な気もしますが。
なお、Macに乗り換えて一番良かった点は、たぶん、ゲームやる時間が激減したことだと思う……。別に、BootcampでWindows起動すればゲーム出来るんだけど(ほとんどのものは、Parallelsでそのまま起動出来るけど)起動し直すの面倒なんですよねぇ……。
次のノートのMacを買った時は、Windows入れないかもしれない。ゲームやるために結局どれかのマシンにはWindowsを入れるのですが。
○目次
はじめに
■プロローグ 社会現象としてのiPhone
やってきた携帯電話のパラダイムシフト
フィラデルフィアの市長も並んだ!
ヨーロッパへ飛び火した人気
実は中国に流れ込んだ大量のiPhone■第1章 すべての道はiPhoneへと続く
いち早く危機を迎え、乗り越えたアップル
どん底からのブランド再構築
木を見て森も見るジョブズCEOの眼
モトローラとの協業で学ぶ
iPhoneが作れれば何でも作れる
社名から「コンピュータ」の文字を外した日■第2章 常識を覆すハードウェア戦略
「ハードウェアを捨てろ」とアナリストたちは言った
最悪の事態でも残った技術者とデザイナー
“Designed by Apple in California”の誇り
iPodを理解できなかったジャーナリストたち
迷わせない製品ラインアップの構築■第3章 シェアの小ささを武器にしたOS戦略
復活への試金石となった「マックOS 8」
リスクを承知で最高を生み出す意志
枯れたUNIXを最先端のスケーラブルOSへ
マルチタッチ技術買収の絶妙なタイミング
iPhoneにはiPhoneのインターフェースを
ライブラリの共有とデータの同期で広がる情報の使い道■第4章 可能性ではなくソリューションを与えるサービス戦略
「損して得取れ」で成長したiTunesストア
マック専用サービスの「ドット・マック」からクロスプラットフォームの「モバイル・ミー」へ
初代iPhoneをあえて2.5Gベースとした強さ
製品と大人しか登場しないiPhoneのテレビCM
グーグルも驚いたiPhoneの真の姿
iPhoneを賞賛する大手インターネット企業
互いに補完するネイティブアプリとWebアプリ■第5章 三位一体から四位一体、五位一体のビジネスデザインへ
決断の早さと事業部間の連携
シェア獲得後の課題
PAセミ社の買収で半導体開発まで手中に
未来は待つものではなく創り出すもの
エピローグ iPhone 3Gが日本にもたらす影響おわりに















